Kindle for Macとは、MacでKindleの本を読むためのアプリです。2011年頃にリリースされ、現在でもバージョンアップされており、多くのユーザーに使用されています。しかし、最近、MacOSがBigSurバージョンになったあたりから、アプリの動作が非常に重くなりました。これは普段からKindle本を読むユーザーにとっては我慢できるものではありません。
この記事では、Kindle for Macが重くなった理由を考察してみます。ただし、ここに書かれることは一個人の所感がほとんどであり、実際を記載しているわけではないので、予めご了承ください。
Kindle for Macの動作が重いと感じられる箇所
アプリの動作が重いと言っても、一概に言えることではありません。つまり、アプリの動作において、具体的にどの操作が重く感じられるのかが明確ではないわけです。そこで、ここではKindle for Macの操作で重いと感じられる箇所をピックアップします。
- ページめくり
- ページの拡大
- ウインドウ操作
- ライブラリの操作
私が感じた思い箇所は以上のとおりです。さて、ここで着目していただきたいのが、上記の操作はすべてアプリのエッセンスであるということです。言い換えれば、上の機能をなくしてこのアプリは成立しないということです。
ここで私の中で一つ結論が生じました。「このアプリは使えない」と。
なぜクリティカルな操作すべてが重いのか
Kindle for Macの重要な操作がすべて重いのはなぜか。これを考えるにあたっては、アプリ開発元のAmazonの様々な背景、要素を考慮する必要があると思います。よってまずはAmazonが販売しているKindle Paperwhiteという端末について見てみます。
Kindle Paperwhite
Kindle Paperwhiteとは、Kindle本を読むための専用タブレット端末です。このタブレットが他の、スマートフォンやiPad、Androidタブレット、と異なる点はKindle本を読む機能しか提供していないということです。
現在Amazon.co.jpではKindle Paperwhiteに関連する製品を3つ販売しています。
具体的な商品名は次のとおりです。
- Kindle
- Kindle Paperwhite
- Kindle Oasis
KindleはKindle Paperwhiteの廉価モデルで、Kindle OasisはKindle Paperwhiteの上位モデルと捉えて良いでしょう。実際に価格や機能を比較したものを以下の表にまとめます。
Kindleタブレット | Kindle | Kindle Paperwhite | Kindle Oasis |
---|---|---|---|
価格(円) | 8980 | 13980 | 29980 |
解像度(ppi) | 167 | 300 | 300 |
ディスプレイ(インチ) | 6 | 6 | 7 |
フロントライトLED(個) | 4 | 5 | 25 |
廉価モデルのKindleでも価格は約9000円です。最上位モデルのKindle Oasisでは価格は約30000円です。ここで着目していただきたいのは、これらのデバイスはすべてKindle本を読むためにあるということです。ウェブブラウジングや他のアプリには対応していません。
他のAndroidタブレット
他方、Amazon.co.jpでは、KindleではないノーマルなAndroidタブレットも販売されています。しかもそれらの多くがKindleタブレットと同じかそれより安いです。
AndroidタブレットでももちろんKindleの本を読むことができます。なぜならGoogle Play Storeでは当然のようにKindleアプリが配信されているからです。Androidタブレットではウェブブラウジングをすることもできます。よって、本で生じた疑問点を直ちにGoogle検索することができます。
このようにKindleではできないことがノーマルなAndroidタブレットでは難なくこなすことができます。
それでもKindleタブレットを選ぶ理由とは
ここで疑問が生じます。なぜユーザーは高機能で低価格なAndroidタブレットよりもKindle本しか読めないKindle Paperwhiteを選ぶのでしょうか。
まず考えられることとしては、Kindle Paperwhiteの付加価値が挙げられるでしょう。具体的には、ページめくりのためのボタンであったり、ディスプレイを彷彿とさせない紙のような質感をもつことであったり、余計な機能がないシンプルさであったり。
しかしこれだけではユーザーがKindle Paperwhiteを選ぶ理由としては弱いでしょう。何か他の要因があるはずです。
察しの良い方はここで気づくでしょう。このページのタイトルにもあるKindle for Macが重い理由とも重なります。
仮説として次の事項を挙げたいと思います。
Kindle Paperwhiteを購入してもらうために、他のKindleアプリの動作を遅くしている
飽くまでも仮説です。妄想のたぐいです。しかし、上のように考えれば辻褄が合うのではないでしょうか。
次に、Kindleタブレットを所持していないKindle本愛好者のミニストーリーを書きます。
Kindle本の愛好者(中毒者)にとっては一日のルーチンにKindleの本を読むという動作が組み込まれています。ところが、Kindleタブレットを持っていないと、動作が重く快適ではありません。そこでKindleタブレットを購入してKindle本を快適に読もうとします。Kindleには他の端末と比較しても目を引くような機能はありませんが、Kindle本を快適に読むためには必要なことなので、細かいことは気にしないこととしました。
これこそ、Amazonが思い描いていたシナリオなのではないでしょうか。Kindleに付加価値をつけるのには限度があります。他のAndroid端末との差別化も図らなくてはなりません。しかし、Kindle本のリーダーにこれ以上改良点は見当たりません。そこで他のKindleアプリの動作を重くすれば、相対的にKindleタブレットの操作が快適であることになります。
結論
最後の方がかなり適当になってしまいましたが、結論として、Kindleアプリの動作が重いのは、Kindle Paperwhiteを購入させるための導線と解釈します。
これは個人の感想、所感、妄想であり、考察は事実とは異なる場合もあります。私もKindle本をよく読みますので、Kindle Paperwhiteを買おうとしているのは事実です。もしKindle本を今後も読み続けるというのであれば、Kindleタブレットの購入も考えてみると良いかもしれません。
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